建物滅失登記を自分でしてみたので、必要書類や申請方法・費用をまとめてみた

建物滅失登記とは

建物滅失登記とは、登記してある建物が取り壊しなどによって滅失したときに、申請する登記のことです。
滅失と言われると難しい感じがしますが、「建物なくなったら連絡しようね」というだけの話です。

登記してある建物が滅失した場合は、必ず申請しないといけない義務があります。
具体的には、建物が滅失してから1ヶ月以内に申請しないと、10万円以下の過料に処されることがあります。

1ヶ月以内にしないとどうなるの?

「1ヶ月以内にしないと10万なんて・・・」と冷汗をかいた方もいらっしゃるかもしれませんね。
結論から言えば、遅れてもどうにもならないことが多いです。

私の場合は、12月頭に解体工事が終了しましたが、申請したのは3月下旬です。
何にも言われませんでした(笑)

そもそも滅失登記するために、ハウスメーカーからいただく書類がありますが、その書類の日付も2月末(解体後3カ月後)になっていました。
どんなに急いでも、1ヵ月以内に登記申請をすることは不可能だったのです。
測量事務所の人も、解体後4ヵ月が経ち建物完成間際になってから連絡がありました。

ハウスメーカーや測量事務所は慣れていますので、無駄な過程を踏みません。
1ヶ月以内にしなくてもどうにもならないことを知っているため、「建物完成間際になったから、他の登記と一緒にしちゃうぞ!」という流れでいるようです。

なので、ご安心ください。1ヵ月をすぎても大丈夫です!

しかし、必ず建物滅失登記はしておきましょう。
しておかないと、その分の固定資産税がやってきます(笑)
住んでもいないのに固定資産税を取られてしまうなんて、損ですよね。

ちなみに固定資産税は、その年の1月1日の所有者に対して課されます。
我が家は12月に解体が終わったので、もう古い建物に対しては1円も払わずにすみました。
良かった~。
喜んでいる図

滅失登記の準備

まず、不動産の登記事項証明書を、近くの法務局か郵送で取り寄せてください。
1通600円です。

建物滅失登記をするには、まずその建物の詳細を知る必要があります。
そのために必要なのが、登記事項証明書です。
これには、家の種類や構造、床面積などが書いてあります。
名前が難しいだけで、ただの書類です。

私は、手元に登記事項証明書があったのでこちらを使用しました。
10年ほど前に親から建物と土地を相続し「相続登記」をしたのですが、その際に、登記事項証明書も取得し、家の権利書に挟んでありました。
10年前に発行したものでも大丈夫なのです。

もしかしたら私と同じように、相続登記などを直近にされている方は、司法書士さんが取ってくれている可能性もあるかもしれませんね。
取り寄せる前に、家にあるかどうか確認してみてくださいね。

滅失登記の必要書類

・登記申請書(ダウンロードできます。)
・案内図(取壊した建物の位置がわかる地図です。)
・取毀証明書(取壊しした業者さんが持っています。)
・取り壊した会社の登記事項証明書(取壊しした業者さんが持っています。)
・取り壊した会社の印鑑証明証(取壊しした業者さんが持っています。)
・原本還付請求書(原本還付が必要な場合は、自分で作ります。)

これだけです。
たったこれだけなんですが、書類の名前が難しくて、すごく難しいことのような気がしてしまうかもしれません。

でも…おそらく多くの人は、源泉徴収を出したことがあると思います。
源泉徴収出すのって、別にたいしたことないですよね?ただの書類ですよね。
だけど何も知らない時は、源泉徴収って言われて「???」と思いませんでしたか?
お役所系の書類って、みんな難しい名前ついているのです。
それが、簡単なことを難しく思わせてしまうのかもしれません。

源泉徴収と同じで、登記関係の書類もただの名前なのです。
手にしてみれば、たいしたことじゃありません。

難しいことではないと思いながら、読み進めていただければ幸いです。

では、1つ1つ見ていきましょう。

①登記申請書の作成

すべての登記をする時には、申請書が必要になります。
「こういう登記をするからお願いね!」という書類です。

雛型は、ネット上のあらゆるところで落ちていますので、必要なところを書き換えていけばOKです。
登記申請書の様式及び記載例(法務局HP)/※建物滅失登記申請書はページの下の方にあるはずです。
滅失登記申請書
・登記の目的  建物滅失
そのまんまです。書き換え不要です。

・添付書類 証明書
この申請をするにあたって、証明書を添付してありますよということです。
書き換え不要です。

・日時と申請する法務局と申請人の名前を記載します。
申請する法務局は、ここから調べてください。
申請人は、取り壊した建物の登記名義人であるあなたの氏名住所連絡先を書き、印鑑を押してください。

・建物の情報
事前準備で取得しておいた不動産登記事項証明書を見ながら、そのまんま記載していきます。

これだけです。
何の知識もなくても、5分で書けます。

②案内図

取り壊した建物の場所が特定できるものです。
住宅地図が理想的ですが、なければGoogleマップでもOKです。

登記官が現地調査をするために必要なものなので、わかりやすくマークしてあげると親切ですよ。

私は建物の図面などと一緒に、ハウスメーカーさんからもらっていた現地案内地図がありました。
そのような方も多いのではないないでしょうか?

ハウスメーカーからもらった書類にあれば、ひと手間省けますし、なくてもGoogle MapでわかりやすくマークすればOKです。

③取毀証明書

取り壊し証明書建物を取り壊しましたよという証明書です。
解体業者さん(ハウスメーカー経由の場合は、ハウスメーカー)がくれます。

私がもらったのは、印鑑が押してあるブランクの用紙だったので、自分で手書きで埋めていきました。
埋める情報は、不動産登記情報を参考にしてください。
すべて埋まります。

④取壊した会社の登記事項証明書

これも、業者さん(ハウスメーカー)からもらいます。

⑤取壊した会社の印鑑証明証

これも、業者さんからもらいます。

⑥原本還付請求書

原本還付というのは、上に書いた③~⑤の書類の原本を、あとで返してくださいというものです。
原本を返してもらうので、役所にはコピーを渡します。

原本をそのまま出していい場合は必要ありませんが、おそらくハウスメーカーさんは、あとで返却してくださいと指示してくると思います。

その場合は、原本還付請求書を自分で作ります。

ワードで作成できます。
「このコピーは、原本と相違ないですよ」ということを一言書いて、住所氏名を書いて印鑑を押すだけです。
原本還付

サンプルもネットで落ちています。

整理してみよう

自分で用意するものは、
①登記申請書
②案内図
⑥原本還付請求書(必要な場合のみ)

①も⑥も、ネット上に雛型がたくさん落ちています。
②は、おそらくハウスメーカーからもらったことがあると思いますが、GoogleマップでもOKです。

ハウスメーカーにもらうもの
③取毀証明書
④会社の登記事項証明書
⑤会社の印鑑証明証

滅失登記を自分でしようとしている方は、もしかしたらこの後に続く登記も自分でしようと思っているかもしれません。

そのため、登記に必要な書類はまとめてもらうことをおすすめいたします。

ハウスメーカーもそのあたりはよくわかっているので「登記に必要な書類一式全部ください」と一言いえば、OKです。

書類作成

集めた書類を、ホチキスでとめます。

滅失登記書類②

左から順番に重ねて、とめてください。
※のコピーと書いてあるものは、原本還付を希望する場合は、コピーをここで使います。
すべてA4の紙に印刷してください。

原本還付を希望する場合は
・取毀証明書
・取り壊した会社の登記事項証明書
・取り壊した会社の印鑑証明証
これらの原本をクリップでまとめて、付箋に「原本還付」と書いておきましょう。
原本還付②滅失登記書類

上の2つの書類を、クリップでとめて、終わりです。

滅失登記必要書類

申請窓口へ

郵送でも申請はできますが、はじめての場合は、なるべく自分で法務局へ行くことをおすすめします。
法務局には、相談員の方がいますので、事前に書類を確認してくれるからです。

OKなら、そのまま窓口へGO!
NGなら、間違った箇所を指摘してくれるので、その通りにして再度トライです。

例えば、書類の並べる順番が違った…といった、小さいことは気にしなくてかまいません。
その場でチャチャッと、相談員の方がやり直してくれます。
そもそも、必要書類が揃っていればいいのです。

必要な書類を入手し、それ通りに記載することに注力してください。

 

かかった時間と費用

 

申請書を作るのに5分
ホチキスどめに5分
コピーしにいくのに10分

30分もあればできます。

何に一番時間がかかったかって、ハウスメーカーから書類が送られてくるのに3週間かかりました!
でも、書類を受け取った次の日には、法務局へ行くことができました。
その程度のことです。

かかった費用は、
コピー代 160円
法務局までのガソリン代
手元にない人は、不動産の登記事項証明書の取得に600円

のみです!

文書にすると難しく感じてしまうかもしれません。
でもそれは、ただ単に言葉が聞きなれない言葉ばかりだから…

書類を集めたり書いたりして、申請する。
それだけなんです。

登記完了までは10日くらいかかりますので、完了予定日にもう一度法務局へいくことになります。
郵送なら送られてくるのですが・・・窓口にいく場合は、最低2回法務局に行かなければいけません。
それがめんどうでなければ、自分でやってみると節約にもなるし満足度もあると思いますよ^^

もし、『私はそれでも自分ではやりたくない!』という人は、「土地家屋調査士」に依頼するという方法もあります。
この面倒な作業を代行してもらうことができます。
その場合は委任状と、印鑑証明をご用意ください。

ちなみに、依頼するための費用は『4万円前後』が相場とのこと。

う~む…。やり方を知ってしまうと高く感じてしまうでしょうか?
しかし、書類を入手する時間、こうして検索をする時間、法務局へ2回も行く時間。

もし、あなたが2~3日時間がかかってしまうようであれば、代行してもらうのも1つの方法です。

それでは、がんばってください!

今日の気づき

登記関連、難しいのは言葉だけ。
建物滅失登記は、すごーーーく簡単です。

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6 COMMENTS

カーチャン

おぉー!すばらしいです!o(*゚▽゚*)o

お次は表題登記ですかね?(*^^*)
調べてみると、図面作成がなにやら難しそうですが、まいさんならサクサクっと作れそうですね☆

返信する
まい

>カーチャンさん そうなんですよね、表題登記の難問は図面で、そこを土地家屋士さんの業務のようなので、私も詳しくないんです・・・
でも、工務店からもらった図面や配置図があれば、それをもとに書けますよ。それさえ準備しておけば、他は書類集めだけなので簡単です^^
表題登記もやるときに、まとめ記事書いてみようと思います!

返信する
かおり

今度新築を建てる物です!とても参考になりました。このブログのお陰で、無事に滅失登記が完了しました!ありがとうございますー!ブログ楽しく拝見させていただいてます!

返信する
まい

かおりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
少しでもお役に立てましたら幸いです。
家づくりは大イベントですから、建築中もあれこれ考えることがあって楽しみですよね!
建て始めるとあっという間ですが、楽しんでいいお家を建ててくださいね♪

返信する
住宅アドバイザー

まいさん、はじめまして

これまで色んな住宅関連のブログやサイトを読んできましたが、
一番読んでて楽しかったし、解りやすかったし、何より話しのテンポが良いなと感じました。

あと例えや表現が絶妙ですね。
今回は当記事と桧屋住宅の営業マンにブチ切れる住宅ローンの記事を拝見しました。
また時間があるときに他の記事も読ませていただきます

返信する
まい

住宅アドバイザーさん、ありがとうございます!
とっても嬉しいです。
私は、勉強不足で家を建ててしまい、もっと考えればよかったと思うことも多いのですが
一方、勢いがあったから建てられたとも思います。
何かの参考になれば、最高に嬉しいです!

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